写真

紅葉が来る前に

赤は緑が好き 緑も赤が好き だからクリスマスは一緒にいる 二人が姿を消す瞬間がある 紅葉が始まる前に どこかへと旅立ってしまう 赤がいない事に気がつく頃 クローゼットから長袖のシャツを出す 赤と緑が戻る頃 きっとセーターを探す 赤と緑はどこへ行った…

遠くて小さい

姿を探すのも難しいほどの小ささで 街を覆うほどの香りを解き放つ 忘れずに香りを届ける その香りをずっと 閉じ込めておきたいのに 雨が花を散らす 遠く離れているのに 輝かしい 誰もが空を見上げて 美しい輝きを見上げる 私の部屋まで届いて欲しいけど 街は…

真っ赤

昔 ポストは黒い色だったという 今やすっかり真っ赤になったポストに 柿の花が額を落とす 秋にはあなたも真っ赤になる ごちゃごちゃした街の中では なんでもない赤い車 〒の白抜きの赤い車 見晴らしのいい景色の中では とても可愛い赤い車 今日も街を網羅す…

椿

強い緑に赤いもの言わぬ花 それはとても日本らしいと思うのだ そう思い続けたある日 雨の中 その花が 無残に落ちて 平たくなっていた まるでアカバーナのようになっていた あるいはハートに見える形をしていた その花はとても和だと思っていた アロハな姿に…

Ramadan

嘆くことはないのです私たちは偶像を愛さぬのですから神はいつも傍にいるのですからこの苦難のために祈りを捧げ心の中にある優しさを分かち合うのです 強い光を求めず 優しい光に身を浸すのです 小さな胞子ほど 遠くへ飛び立ちます 強い言葉より 小さな言葉…

土管

土管に猫を詰め込みたい ぎゅうぎゅうに詰め込んで 顔だけはみ出させたい きっと猫だって土管に入りたい 誰かが穴に突っ込んでくれることを待ってるはず とにかくそういうフォルムをしている 猫を土管に詰め込みたい 詰め込んだ土管を積み上げてみたい 転が…

70's

押入れの中で見つけた 野暮ったくて黒いラジカセ それで色んな落語を聴いた まだラジオなんて知らなかった頃の私 でたらめに色んなスイッチをいじって見つけたラジオはまるで魔法 時代もジャンルも関係なく 音楽や言葉が飛び交う 時代はもはやデジタルで エ…

Happy St. Patrick Day

彼岸の入りに 緑のつくものを探している ビールに入れたいミントシロップ 売ってない 抹茶パウダー 見当たらない 隣の大きな街まで行きたくない 小松菜サワー まだ勇気が出ない パクチーは 色がつくほど入れたくない Happy St. Patrick Day よもぎのことはす…

White White Day

眼鏡屋が言うには 雪になるのはどうせ群馬 それを笑いながら 寒の戻りにお出かけ ビリー=アイリッシュ気取りで遊ぶ Queen の曲にノリながら はしゃいだ後で電車に乗れば 春を打ち消す 雪 雪 雪 春にはまだ早い 雪 雪 雪 White White Day We are We are snow…

境目

男って何 女って何 男は女に 女は男に 勝手な理想を押し付ける 淑女がいいと言いながら 都合のいいセクシーさを求める (もっと俺を頂点へ!) 紳士がいいと言いながら 貞淑さを奪ってくれる目配せを待ってる (私の体は素敵だと言って!) 一雨ごとに冬と春…

雨は景色を変える 昨日までビビットだった色が急にくすむ 雨は景色を変える あんなにくすんでいた景色が 雨上がりにキラキラとして まるで知らない世界にいたみたいになる 雨の中にいる時は自分だけしかこの世にいないみたい 急に話しかけられると驚くくらい…

ほうこう

方向を見失って走る人々 米離れをメディアは煽っていたはず 米が買い占められてる謎 早く春が来ないかなと言っていたのに 彷徨の末 春の芳香に気付かず 何かが吠えている これはおかしいと吠えている それでも人は走るのを止められない 右へ行くべき 左へ行…

ひょうたんからライト

瓢箪に入れ墨を彫り 灯りを入れて浮かび上がらせる 摩訶不思議な世界 作家はまるで呪術師のよう そんな瓢箪はたいそうお高く 高嶺の花 良いものだとわかっていても 指をくわえて見ているだけ 神様の住まう町 鳥居の近くの小さな店のショーケース 憧れが小さ…

Song

思い出そう その人の好きだったもの 思い出そう その人が愛したものを 悲しんでる自分に酔いしれてないで 謳おう 様々なことを思い出しながら 立ち上がろう 謳おう 旗を振るように 歌を掲げて www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com *いくつか公…

メイク

ハヌカにはハヌカの装いを クリスマスには天使かサンタに 年末年始は門松に それは嘘だけど 晴れ着を着るのは確か いつでもその日の気分を装っている ありのまま? そんなの誰に判るの? 鏡は装っている私しか知らない 顔はカンバス 心に思うことを 描いたり…

巡る

囲碁には石を置けない場所がある 黒ヤギさんと 白ヤギさんのように いつまでもやり取りが続いてしまう場所 あなたと私は会う時も会わない時も 手紙のやり取りを続けてきた 囲碁の勝負はいつか終わりがくるけれど 私たちは コウに石を置くように いつまでも次…

Avicii

オーロラに包まれるような夜の中 声を灯火にして AとVの台形を浮き上がらせる キャンドル一つ一つに 明かりを灯すように 一人ずつ AViciiの歌を歌う 星に返すのではない 捧げるのではない ここから始めるために 一人一人 繋いでいく AとVを重ねて 新しいAvic…

納涼

日差しは遠慮なく熱を送る 秋が来る前に 惜しげなく 人々は 夏を味わいながら 涼しいものを探す 浮かれていたい 冷静でいたい スイカをかじりながら 食べ過ぎを気にする ああ夏よ 今年はどんな風に過ぎ行くのか 日差しにやられながら 吸血鬼よりはタフな人間…

夕暮れ駅前が赤くなる

夕暮れ 駅前が赤くなる ロータリーを消防車が埋め尽くす 興奮した人たちが写真を撮りまくる 撒かれた水で冷却状態 何も知らずに いつものように あちこち寄り道 家までの道 その日どうしても コンビニの嘘くさい巻き寿司食べたくて 何も知らずに コンビニを…

地上の星座

雨続きの雑木林では キノコがやたらに増えた 雨で流され やがて傘になるキノコは 見知らぬ惑星へと降り立つ 宇宙飛行士のような気持ちだったろうか 小さな小さな胞子はさながら星のようである 雑木林という広大な宇宙の中で 新しい生命を育み またどこかの宇…

花火

水底を蹴る 思うがままに広がる 背中を光らせて 自由に広がる 地上を蹴る 自由に広がる 大空の中 人々の顔を 上に向けて 胸の中を蹴り上げる 形にならない思い 憧れ 体の中で 自由に広がる www.youtube.com

赤い道

まるでガラクタのような分厚い皮の中に 宝石のような果実を詰めて 不思議に実る果実の 花もやや不思議 蝋細工のよう 何も言わずに地面に落ちる 空へと続く道の 道しるべのように 点々と続いている まるで血のようだとか 赤子をかじるようだとか そんなことを…

とても美しい朝

別れとはたいていうまく行かない いい言葉が出てこなかったり 映画みたいにどこまでも走っていこうとして 電信柱に顔をぶつけたり おまけに最後という日は 突然訪れたりする その横暴さに衝撃を受けることが殆どだ ある朝 95歳の女性が世を去ったことを 女…

会社勤めを終えた隣人が 華やかな花を庭に植えた 真っ赤な真っ赤なタチアオイ 隣人はやがて 中古の家を買い 引っ越した 庭にタチアオイを残して ここからそんなに遠く無い家だけど タチアオイが歩いて行くわけにはいかない 嵐が来る前に 大雨が降る前に 寂し…

虫が好き

虫という小さくも不思議な形態の生き物に 人は色々な言葉をつける アリとキリギリス 五分の虫にも魂 虫が好かない 虫唾が走る 本の虫 玉虫色 腹の虫 虫は妖精にちょっと似てるのかもしれない 時にこわく 時に愛らしく 不思議でいっぱい あの芋虫ちゃんがどう…

Cut of sky

子供が生まれてから 大人になるまでは あっという間 小さな変化を積み重ねて 人間はあっという間に 成長していく でも 友達と過ごした 制服時代のなんと長いこと 豊かなこと 永遠にも思えたこと 私たちは 長く過ごした 甘い時間をいつか飛び出さなくてはいけ…

花のように

令和の手話表現が発表されました。 とても美しい表現です。 こっちのセンスで元号が決まってたらなあ・・・ www3.nhk.or.jp

有名人

名前はよくよくご存知で 存在もきらびやか きっとありがたいでござろうビリケンさん でも野田の運河にいる理由はわからない 名札を立てなくてもすぐわかる 彼が誰だかすぐわかる でもどうしてここにいるかはわからない www.youtube.com