ボタン

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知ってるでしょう?
かつては遠くの人と知り合うのは容易なことではなかった
たとえ陸続きのこの国でもね
異世界の食べ物に
異世界の音楽
異世界の服装

何もかもが魔法の扉を開いたように思えたし
相手の当たり前が信じられなかった

知ってるでしょう?
手紙一つやり取りするのも大変だった
寝ながらボタンを一つ ぽち
そんなことは想像もつかない

それは
あなたの心が読めたらなと
思うこととは違うの

簡単はいつかおざなりに
手軽さはいつかなおざりに

スイッチ一つでマイクの向こうの声が聴こえる喜びを
もう忘れちゃった?

私のお便り
いつ届くのかドキドキしながら
耳を澄ませていた日を
忘れちゃった?

たった20年で
私たちはどこでもドアを手に入れた気分
でもそれは
戦争をするためのものじゃない
胸の中に入れた
合鍵を渡すためのもの

 

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