とても美しい朝
別れとはたいていうまく行かない
いい言葉が出てこなかったり
映画みたいにどこまでも走っていこうとして
電信柱に顔をぶつけたり
おまけに最後という日は
突然訪れたりする
その横暴さに衝撃を受けることが殆どだ
ある朝
95歳の女性が世を去ったことを
女優が告げていた
"私たちは幸運です
彼女がいかにして病と闘い
冷静だったのかを知っている
彼女の美しさに触れ
包まれた時を過ごしてきた”
思い出の朝は
まるで美しい朝を迎えた時のような時間で
その日いちにち
私の時間は止まった
何もかもが幻のように思え
女優の言葉だけが目の前で輝いていた
別れはたいていうまくいかず
横暴だ
だから人間は知恵を絞って
天使が迎えに来るとか
天国で会えるとか
お釈迦様の元で暮らすのだとか
そういう話を考えるのだ
しかし
時に本当に美しい別れを迎える時がある
そんなような人生を送った最後に訪れる
美しい朝のようなお別れ
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