金木犀

暑い季節の頃は思う 晴れ渡る日が続くとき 思い描く 小さな 橙色の花が咲いたらポプリにしよう 町中拡がるあの香りを閉じ込めて ポプリにしよう その頃は忘れているのだ 小さくて香り高い花が咲く頃は 雨がやって来る 温もりを下げにくる 雨が降る 雨のよう…

ホトトギス

あちらこちらで 私こそがこの国の主に相応しいと 自分に都合のいい結果になるよう 策を講じる ホトトギスは 今年も黙って 王冠を差し出す 気品ある王冠は山にひっそりと咲き それまでは誰にも知られない 思慮深い哲学者のように www.youtube.com *コメント…

くぬぎ

彼女が拾うどんぐりは いつも縦長で艶々のピカピカ しっかりしたベレーを被っている ある日彼女が拾ったどんぐりは いつものベレーを被ってなくて まん丸で 彼女はそれをずっと見つめていた この世に答えは一つだけではないのだと知った 秋の始まりの朝 www.…

Happy first day of Fall & Rosh Hashanah

いかなる時も その時期を 忘れず伝えてくれる花があった キャンドルのように 赤い芯を地面から出し その日が来ると一斉に 地面は焔を解き放たれたかのようになる とても魅惑的で危険な焔は 不吉さと 美しさを保ち いつでも私たちの目を惹き付ける 今年 とう…

青空キッチン

屋根が吹き飛んで まるで都合のいいジオラマみたい 机の上のミニチュアセットみたい ジオラマみたい でもこれはtyphoon faxai の通り過ぎた後 空を見上げるにはちょうどいいけれど 味噌汁にも雨が入るだろう ねずみでもなんでもやって来るだろう typhoon fax…

Half

中秋的夜晚我将明月和星星排成最美的祝福:中秋快乐! 前回の満月がどうだったか覚えていない判っているのは一日一にち日が短くなり また夜が深くなることそれでも月は確実に満ち欠けを繰り返し新しい季節を知らせている *今までYahooブログでお世話になっ…

どっちが先に生まれたの?

どっちが先に生まれたの? 隣同士のセミの抜け殻 大人になって どこへ飛んで行ったの? 翼を広げたものは もう 殻に戻ることはない どっちが先に生まれたの 枝からもがれた胡桃の実 落ちた果実が 元に戻ることがもうない www.youtube.com

見せてあげたい

お父さんは白杖を持って 駅の構内を歩く 顔はまっすぐ前を向く 片手に白杖 もう片方に娘の手 娘は嬉しそうに お父さんの顔を見上げる その顔を見せてあげたい 夏休みの笑顔 *公私共にバタバタしておりなかなかこちらには伺えませんでした 残暑お見舞い申し…

安全

安全でありたいので 360度の視野を持つ 安全でありたいので 柵の向こうにいる 安全でありたいので 見晴らしよく でも 世界とは 隔絶せず 側にいる www.youtube.com

可哀想

この日 沖縄の人を可哀想と言わない この日 シンガポールで 日本人によって 大量に虐殺された 中国人のことを 可哀想とは言わない 返ってくる言葉は 捏造だ 私たちのせいじゃない 知らない どこかの国の 土の下で いくつもの魂が 驚く日がやってきた 可哀想…

納涼

日差しは遠慮なく熱を送る 秋が来る前に 惜しげなく 人々は 夏を味わいながら 涼しいものを探す 浮かれていたい 冷静でいたい スイカをかじりながら 食べ過ぎを気にする ああ夏よ 今年はどんな風に過ぎ行くのか 日差しにやられながら 吸血鬼よりはタフな人間…

夕暮れ駅前が赤くなる

夕暮れ 駅前が赤くなる ロータリーを消防車が埋め尽くす 興奮した人たちが写真を撮りまくる 撒かれた水で冷却状態 何も知らずに いつものように あちこち寄り道 家までの道 その日どうしても コンビニの嘘くさい巻き寿司食べたくて 何も知らずに コンビニを…

地上の星座

雨続きの雑木林では キノコがやたらに増えた 雨で流され やがて傘になるキノコは 見知らぬ惑星へと降り立つ 宇宙飛行士のような気持ちだったろうか 小さな小さな胞子はさながら星のようである 雑木林という広大な宇宙の中で 新しい生命を育み またどこかの宇…

花火

水底を蹴る 思うがままに広がる 背中を光らせて 自由に広がる 地上を蹴る 自由に広がる 大空の中 人々の顔を 上に向けて 胸の中を蹴り上げる 形にならない思い 憧れ 体の中で 自由に広がる www.youtube.com

ジオラマ

誰かがこの街を愛し 深く愛し つぶさに見つめて作った 小さな世界 公民館の小さなスペースで 息を止める世界 www.youtube.com

旗持ちが好き

華やかに舞う 仲間の後ろで黙って凛々しく団旗を支える旗持ちが好き 自分が注目されてるとは思わないで 誠実に 道に影を落とし 身動ぎもしない旗持ち 一番遠くにいながら時の声と共に 最初に会場に入り場を変える 強風の時も 雨の時も 旗を黙って支える あな…

置き河童

まるで世の中が川になったみたい 嬉しくて 毎日外に出る でも誰もいない 子供はすぐに家に帰っちゃって 虫は空を飛べなくて 猫はどこかに行ったきり 魚も跳ねない 河童だけの世界は 物足りない世界 www.youtube.com www.youtube.com

多雨

目を閉じて横たわる 外は雨 体の中の水分が 雨と混じり合い 意識と共に溶け合う 緑になり 海になり 砂漠を渡り 何処へでも行く 眠れぬ誰かの心を訪れ 暗闇で彷徨う人に 子守唄を歌い キノコの胞子を流し 刀の鍔の上で弾ける 傘の上で踊り 川に注ぐ 私たちは…

壁を舐めるように

歌になるほどの 愛らしいカタツムリ 雨になると 気持ちよさそうに触覚を揺らす その生態をよく知らないけれど 雨になると 誇らしげに現れる 最近姿を見ないらしい 人目を忍んでいるのか もっといい場所にいるのか 判らないけれど 私の近くのカタツムリは 相…

Cat

猫は居心地の居場所を選ぶ 猫は気持ちのいい場所をよく知っている この世に猫がいる限り まだまだ世界は安全だ 少なくとも まだ安全な場所がある 猫が自由である限り 世界から自由は失われない 与えられた自由を駆使して 今を生きる 天気がままならないこと…

紫陽花とカササギ

梅雨が梅雨らしさを取り戻し 紫陽花もCalm down 涼やかに咲いて まだ早い花火大会 カササギ部隊は今夜のデートを諦めて 天の川を渡る カササギ部隊はデートを諦めて 今夜集まる この日を誰よりも待ち望む二人を渡すために www.youtube.com

偽物の街で

偽物の街は できるだけ美しくあろうと 醜いものに蓋をして 振舞っていた その夢に騙されようと 観客は まるで己が登場人物のように振る舞った 隠しきれない行列と 待つことに飽きた子供たち 雨は見ていた 私は夢のほころびを見つめていた 本物の街で スパイ…

シルエット

まだ14歳の彼女は あずかり知らぬ己の才能で 新しい道を踏み出し 私は何度もその瞬間を見つめ 涙する でも現実の彼女は とっくに16歳で 今は己を知っていて あらゆる可能性のために 未来へと動いている 過去の彼女の美しさよ 今の彼女の美しさよ 未来の彼…

赤い道

まるでガラクタのような分厚い皮の中に 宝石のような果実を詰めて 不思議に実る果実の 花もやや不思議 蝋細工のよう 何も言わずに地面に落ちる 空へと続く道の 道しるべのように 点々と続いている まるで血のようだとか 赤子をかじるようだとか そんなことを…

とても美しい朝

別れとはたいていうまく行かない いい言葉が出てこなかったり 映画みたいにどこまでも走っていこうとして 電信柱に顔をぶつけたり おまけに最後という日は 突然訪れたりする その横暴さに衝撃を受けることが殆どだ ある朝 95歳の女性が世を去ったことを 女…

Another Big 3

子供は親より頼りなく 親より偉大で はち切れんばかりのエネルギーで世に挑む 新しい悲しみに出くわしては 途方にくれる日々 頭では判っている物理学を 掴むことができない小さな手 大人はもどかしさをこらえ 肩を叩き慰める 納得できない理不尽さ 言葉に出…

会社勤めを終えた隣人が 華やかな花を庭に植えた 真っ赤な真っ赤なタチアオイ 隣人はやがて 中古の家を買い 引っ越した 庭にタチアオイを残して ここからそんなに遠く無い家だけど タチアオイが歩いて行くわけにはいかない 嵐が来る前に 大雨が降る前に 寂し…

幼馴染

兄弟でもない親戚でもない友達とも違うずっと昔から一緒誰よりもお互いに詳しいどんだことだって知ってる二人はずっと変わらない幼馴染店の片隅で歌手が歌ってるレイチェル=プラッテンのStand by youだからそんな気になるけれど兄弟でもない親戚でもない友…

OneLoveManchester

声は低くて背も低くてでもハートは誰よりでっかくて笑わせることにかけては全力 遠くの国から歌ってたねI love you Selena but I listen to Demi.... @selenagomez @ddlovatoI love you me but I listen to Ari .人生いつでも万全とはいかない友達が元気でな…

灯りを消して

灯りを消して あなたをみたいから灯りを消して その強い光を 私の灯りを見詰めて 地上に降り立つ星ぼしを 見るような想いに どうか大きな声は上げないで 囁くように歌って私の恥じらいを 小さな勇気を消さぬように www.youtube.com